新米主婦の頃、使い方がわからず捨てていたしいたけの軸。なんともったいないことをしていたのでしょう。今やこの料理を作るために、わざわざ軸の立派なおおぶりのしいたけを買うまでになりました。オリーブオイルで炒めると、キッチン中に信じられないくらいいい香りが漂います。佃煮というと手間がかかる印象ですが、これは佃煮「風」でして、さっと作れる炒め煮のようなもの。しかも調味料の加え方によって薄味と濃味、ひと鍋でふたつの味の料理ができてしまうんです！

【しいたけの軸の佃煮風】

《材料　2人分》

• しいたけの軸50g（立派な椎茸なら6～7本程度）
• ちりめんじゃこ大さじ1～2
• しょうゆ小さじ2
• みりん小さじ2
• オリーブオイル大さじ2

《作り方》

1. しいたけの軸はうす切りにしてからせん切りにする。
2. フライパンにオイルを入れ①を焦がさないように中火で炒め、いい香りがしてきたらいったん火を止めてちりめんじゃこを加える。
3. 醤油とみりんを合わせ、半量をフライパンに入れて火をつける。混ぜ合わせるように炒め煮し、味を見て火を止め鍋の半分を器にとっておく（薄味バージョンが完成）。
4. 再び火をつけ、残りの調味料を加え再び炒め煮しできあがり（濃味バージョンが完成）。

　

豆皿などにちょこんと盛りつけ、箸休めに。水分の少ない軸部分は香り高く食感も独特で、薄味バージョンではしいたけの旨みがしっかり感じられます。一方、濃味バージョンは佃煮風で、ご飯もお酒も進む味付けです。
軸部分しか使わないので火を中火以下にすることと、こまめに火を止めることが焦がさずうまく作るコツでしょうか。どちらも甲乙つけがたい美味しさですが、もちろん薄味、濃い味お好きな味付けだけで作ってもOKです！


　

Akikoオリーブオイルライフ編集部／料理研究家、栄養アドバイザー
白木あきこ。料理研究家、栄養アドバイザー、認知症予防食研究家、ウェルネスフードクリエーター。
京都を愛し東京に恋をする京女。長年編集者、ライターとして素材、産地から栄養、安全にわたって食全般を俯瞰し、メディア連載、寄稿、出演多数。2000年に立ち上げたグルメサイトを2020年春「美食道.com」にリニューアル。分子栄養学、ローフード、認知症予防食等を学び、新たに「ウェルネスフーズラボ」「認知症予防食.com」を立ち上げる。安全な美味にこだわり、美と健康のためのウェルネスフード研究と食レッスンを行っている。
ハーブ歴は高校の時から。旅と食べ歩きが好き。
■「WELLNESS FOODS LAB」
https://wellnessfoodslab.com/