「美味しんぼ」とオリーブオイル
母の化粧品のイメージだったオリーブオイルが調味料であることを知ったのは高校生の時、漫画「美味しんぼ」の作中でした。ホームシックにかかったギリシャ出身の歌手に主人公がゆでダコや焼き魚にオリーブオイルを掛けて振る舞い、元気を取り戻すエピソード。その時の主人公のセリフ「我々の口にはちょっと合いませんがこれこそギリシャの漁村出身の人間のソウルフードなのです」でもわかるように、当時の日本はオリーブオイルとは無縁の食生活でした。
それから間もなくバブル到来、ランチタイムの飲食店からはオリーブオイルとニンニクの香りが漂い、日本人のDNAにオリーブオイルの香りがあっという間に刷り込まれました。写真学生だった僕は町のスパゲッティ屋でアーリオオーリオを知り、バジルは大葉とは違う野菜だということを知りました。今や日本人の食卓に欠かせないオリーブオイルですが、日本に定着してからまだほんの数十年なんですね。