なすとオリーブオイル
先日、親しくしている野菜ソムリエさんから、いろいろな種類のなすをいただきました。
ひと口になすと言っても、形も色合いも実に多様で、味わいの特長も様々でした。
私にとってはなすと言えばオリーブオイル、というくらい、切り離せない両者。
なすとオリーブオイルを伝統的に組み合わせている、イタリアの地方の食文化にもヒントをもらいながら、旬のなすとオリーブオイルについて、お伝えしたいと思います。
後半では、私たち日本人に合ったシンプルな日常使いについてもご紹介します♪
※写真のなすの品種(左上から右回りに):「ひもなす」、「フェアリーテイル」、「クララ」、「ロッソビアンカ」、「米なす」、「リスタータ」、「水なす」
<なすの種類いろいろ>
日本でもっとも一般的ななすは、「千両なす」という品種の仲間です。
いまでは年中、スーパーなどで手に入りますね。
そのほか、国内でポピュラーな種類としては、「米なす」、「長なす」、「水なす」、といったところでしょうか。大きさや形が随分違いますし、「水なす」については、加熱せずに生のままいただくのがおいしいなすですね。
今回、知人からいただいたなすの種類は、初めて聞く、イタリアの品種のものが大半でした。それぞれの品種を伺いましたら、「フェアリーテイル」、「ロッソビアンカ」、「クララ」、「リスタータ」、というのだそうです。なんだかかわいい名前が多いですね。
色や形も様々ですし、オリーブオイルでソテーしてみると、全般に身がきめ細かく詰まった感じで、みずみずしい味わいでした。
日本のなすは、焼くと、やわらかで甘みが出る印象です。長なすはより身がやわらかく、とろっとした食感になるものもありますね。それに比べると、イタリア品種のものは、身質がしっかりとして、味わいはさっぱりとしていました。
なすのステーキにしたり、薄切りにして何か包み込んだり、という使い方ができそうです。
<イタリアでなすといえば>
今回いただいたなすの種類が、イタリアのものが多かったということから端を発しますが、イタリアのなすのお料理事情を少々。
まず、日本でもおなじみの「カポナータ」(フランス語ではラタトゥイユ)は、イタリアのシチリア島の郷土料理です。なすがなくては始まらないお料理だと思います。
そのほかにも、なすで肉や魚介の詰め物を巻いてオーブン焼きにするインボルティーニ、なすをオリーブオイルで焼いてからトマト煮にするお料理や、ソテーしてバルサミコ酢でマリネするなど。なすのお料理バリエーションがあふれています。
また、シチリアには、なすに合う、特徴的なオリーブオイルがあります。
シチリア特有の「トンダ・イブレア」という品種のオリーブからできるオリーブオイルは、青いトマトの香りがすることで知られています。このオリーブオイルが、なすにとても良く合うんです。
なすとトマト香るオリーブオイル!トマトもたっぷりと使って・・・
現地で食べることができたら、きっと、さらにおいしいだろうなと想像してしまいます。
イタリアの食文化にみても、やはり、なすとオリーブオイルの相性は間違いなさそうですね。
<なすとオリーブオイルの日常使い>
シチリアを例に、なすとオリーブオイルの組み合わせについてご紹介しましたが、日本のお料理にも、なすをおいしくいただく調理法が数々あります。
必ずしもイタリア料理に仕立てる必要もなく、私たち日本人に合ったシンプルな日常のおお料理にオリーブオイルを活用することも、ぜひおすすめしたいことです。
例えば、焼きナス(焼いてこげた皮をむく)にオリーブオイルとしょうゆをかけると、焼いた香ばしさとオリーブオイルの香りの組み合わせが良く、ぐっとなすの甘みが増します。
レモンとミント、オリーブオイルでマリネにして、冷やしていただくのも、さわやかでおいしいですね。
レンジで蒸したなすに、ポン酢しょうゆとオリーブオイルをかけたら、コクと香りが絶妙です。角切りにしたトマトを加えためんつゆ+オリーブオイルも良いですね。
水なすであれば、冷たく冷やして、塩と青々しいタイプのオリーブオイルをたっぷりとかけていただくのが好きです。
以前にレシピコーナーでもご紹介している、「なすのオイル焼き」も、シンプルになすをおいしくいただく方法のご提案です。
なすは油調理と相性が良い、とご存じの方も多いと思いますが、オリーブオイルは特に合うように思います。
加熱調理であれば、なすの甘みが引き出されて、たっぷり使っても重くならないですし、生使いであれば、薬味のようにも使えますしね。
まだまだ暑い夏が続きます。
なすをたっぷりと味わえる季節、ぜひ、いろいろとお試しください☆