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魚介とオリーブオイル

こんにちは。片幸子です。
今回は、「魚介とオリーブオイル」をテーマにして、情報をお届けしたいと思います。
日本は、世界有数の魚食大国だといいます。そんなお魚好きの私たち日本人にとって、調理や味わい方のバリエーションが広がるのは嬉しいことではないでしょうか。
オリーブオイルをひとつのアイテムとして加えていただくのも、とても有効な方法ですので、魚介とオリーブオイルの合わせ方や使いどころについて、いくつかの面からお伝えしたいと思います。

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<カルパッチョといえばお刺身?>

もともとはオリーブオイル生産国のイタリアのお料理、「カルパッチョ」は、日本でもおなじみのものになりました。
カルパッチョ=お刺身を並べてオリーブオイルをかける、とイメージされるかもしれませんが、実は、魚のお刺身を使ったカルパッチョは、日本で生まれたお料理です。
もともとのカルパッチョは、薄切りにした生の牛肉を使うのですが、日本人に合ったお料理として、日本人のシェフが、魚のお刺身で提供したのが発祥です。
それが、現在のように浸透しているのは、お魚を生食する食文化の中で、オリーブオイルとの相性が認められているあらわれではないかと思います。

ご家庭でいただけるお刺身は、獲れたてのよほど新鮮なものであれば別ですが、どうしてもお魚特有の臭みが気になる場合があります。しょうゆとわさびでいただくときは、その臭みをわさびが消してくれますが、オリーブオイルの香りや風味がその役割を担ってくれます。
オリーブオイルは油脂なので、味わいのキレを出すために、レモンやすだちなどの柑橘を組み合わせるのはおすすめです。
はじめて試されるのであれば、「しょうゆ」+「オリーブオイル」+「レモン(すだち)」、または、柑橘果汁がすでに入っている「ポン酢しょうゆ」+「オリーブオイル」、を試してみられるとよいと思います。

カルパッチョにすると、トマトやサラダ野菜を盛り付けに組み合わせて、いろどりやボリューム感を出せたり、和食以外の献立や、ワインに合わせるおつまみに、など、食べるシーンに広がりが出るのも魅力のひとつだと思います。


<オリーブオイルで焼く>

「焼く」といっても、いくつか方法があります。
・魚焼きグリルで焼く
・フライパンで焼く
・オーブンやオーブントースターで焼く
そのどれにも、オリーブオイルは活用できます。

焼くときにオリーブオイルを使うメリットは、大きくは2つあります。
① 皮がパリッと香ばしくなる
② お魚の旨みが引き出され、オリーブオイルの風味と合わさって味がよくなる
オリーブオイルは加熱すると、香りが飛んでしまうので、主に調理性のメリットが大きいと思いますが、香りを加えたいときは、仕上げにかけるのもよいですね。

魚焼きグリルで焼くときは、お魚の表面に、うすくオリーブオイルをぬって(まぶして)焼いてみてください。

フライパンで焼くときは、オリーブオイルを焼き油に使って、先に皮目をパリッと焼いてから、全体に火を通してください。切り身魚はもちろん、アジやサンマなど、1尾魚をフライパンで焼くのもよいですよ。

オーブン(オーブントースター)で焼くときは、オリーブオイルをかけて、または、オリーブオイルとパン粉を混ぜたものをかけて焼いてみてください。ハーブを組み合わせるのもよいですね。


<オリーブオイルで煮る・蒸す>

オリーブオイルで煮る・蒸す、というと、ちょっと語弊がありますが、正確には、たっぷりめのオリーブオイルで焼いてから、水分を加えて煮る、蒸す、という方法です。

たとえば、イタリアの南の地方に、「アクアパッツァ」というお料理があります。
塩で下味をしたお魚を、たっぷりめのオリーブオイルで表面を色よく焼き、そこに、あさり、ミニトマトを加えてフタをして蒸すお料理です。あさりとミニトマトから、水分とうま味が出て、オリーブオイルと混ざってソースのようになり、お魚にもまたそれがしみこむことで、おいしく仕上がります。

ポイントは、オリーブオイルで先にお魚を香ばしく焼くことと、たっぷりめにオイルを使うことで、蒸し汁、煮汁が、ソースとなりおいしくいただける、という点です。
あさりやミニトマトの旨みの代わりに、鶏がらスープや、かつおだしを加えて、仕上げに青菜をサッと加える、というのもよいですし、日本酒を加えても、より味わいが深まります。

オリーブオイルは、焼くための油としてのほか、香りや風味があることで、味わいを深める調味料としての役割も果たしてくれることが、大きなポイントだと思います。

魚介とオリーブオイルの相性、ぜひいろいろとお試しください!

 

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