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好みの香りをみつけるヒント<1>

エクストラバージン・オリーブオイルが持つフルーティーな香り。それには、いろいろなタイプがあります。香りは、お料理を引き立てる大事な要素になりますので、タイプによって合うお料理も違ってきます。

その違いは、オリーブの状態や品種、しぼり方、産地などによって生まれるものですが、
どんなタイプがあるのか、なぜそういったタイプの違いが生まれるのか、それらとお料理との相性をどう考えたらよいか、を、大まかにでも知っておくと、オリーブオイルを使ったお料理がさらにおいしくなったり、レパートリーが広がることにもきっとつながると思います。

今回は、まず「大きく分ける基準」と「その違いの理由」をお伝えします。次回さらにその中身を詳しく見ていく、という順番でご紹介していきたいと思います。

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<「グリーン」か「ライプ」か>

たとえば3種類の香りの違うオイルがあったとします。
ひとつは、とても青々しい香りがするもの、もうひとつは、青々しさはなく、まろやかで甘い香りのするオイル、そして、青々しさが少しだけあって、まろやかさも感じるもの。

これらを横に並べるイメージをしてみてください。
とても青々しい香りがするものを一番左に置いて、「グリーン」と言います。
まろやかな甘い香りがするものは、反対の右側に置いて、「ライプ」と言います。
どちらも感じたものは、2つの間に置いてみましょう。
※「ライプ」は、「熟した」という意味です。

その、「グリーン」と「ライプ」という2つの表現を使って、それらがどのくらいのバランスか、ということで、はじめに大きくオイルの香りを判断します。
では、その違いはどういうものなのでしょうか。
「エクストラバージン・オリーブオイルはオリーブの実をしぼっただけのオイル」ということをもう一度思い出してみてください。

<オリーブの実の熟し具合と香りの関係>

オリーブの実をしぼっただけのオイル、ということは、どんな状態のオリーブをしぼるかが香りにも大きく影響します。
オリーブの実は植物ですので、木に実っている時間が経つごとに熟していきます。若いうちは緑色をしていますが、熟していくにしたがって、薄い紫色、濃い紫色、黒に近い色、と、徐々に濃い色に変化していきます。そのどの段階でしぼったかで、香りの感じ方が変わってくるのです。

同じ木から採れるオリーブでも、実が緑のうちにしぼったオイルは、青々しい草のような香り(「グリーン」のタイプ)、熟していくほどにまろやかで甘い香り(「ライプ」のタイプ)になる傾向にあります。先ほど、3種類を並べるイメージをしたのと重ねてみてください。

目安として、オイルの特長の説明に「早摘みのオリーブからしぼった」などとあれば『グリーン』、「熟したオリーブ」とあれば『ライプ』、と想像することもできます。

オリーブの品種や育つ環境などによっても、どの段階でどんな香りになるかは違いが出ますが、熟し度合いで香りが変化していく傾向は、どれにもあてはまると思います。

まずは「グリーン」と「ライプ」という見方があるということと、ご自分がどちら寄りがお好みか、ということを知っておくと、選び方の大きな目安ができるのではないでしょうか。

次回以降で、それぞれの中にも香りの種類があることや、お料理との関係についてお伝えしていきたいと思います。

 

▼グリーンとライプ、お好みの香りはどちら?
【好みの香りをみつけるヒント<2>】

▼料理に合わせてオリーブオイルを使い分けるコツとは?
【オリーブオイルの味と、そのタイプについて】

▼意外と知らない?オリーブの収穫方法とは?
【オリーブオイルができるまで<収穫>】

 

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