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山菜とオリーブオイル

「春は苦み」、と言われるように、日本では、春の旬素材として苦みのある食材が季節を告げてくれます。冬の寒い時期に、代謝が落ちて体内にため込んだものを、苦みのある食材を食べることで排出する、という、実に理にかなった日本の四季のサイクルです。
その最たる食材は、うどやふきのとうなどに代表される山菜。
山菜の持つ苦みは、油ととても相性が良く、天ぷらがポピュラーなのはその好例ですね。
今回は、その油をオリーブオイルに変えて、天ぷら以外にも苦みのある山菜をおいしく味わう方法について、情報をお伝えしたいと思います。

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<オリーブオイルのタイプについて>

苦みのある山菜と合わせるオリーブオイルとしては、苦みがしっかりとあるオリーブオイルが相性が良いです。
素材の苦みとオイルの苦みが合わさると、うま味に変わる、ということがおきます。
お手持ちのオイルで試していただくので十分ですが、もし普段、苦みのあるオイルが使いにくい、という方がいらしたら、ぜひ試してみてください。



<うどを使った調理>

うどの香りや苦みの調和は、生のまま食べるときに、もっとも楽しめると思います。シャキシャキした食感もおいしさを引き立ててくれます。
せん切りや短冊切りにして一度水にさらしてから、よく水気をきってオリーブオイルと塩でサッとあえると、それだけでもとてもおいしいと思います。

ほかに、生ハムやスモークサーモン、クレソンやルッコラなどを加えれば、ボリューム感のあるいろどり良いサラダに仕上がります。
うどのきんぴらも一般的なお料理ですが、オリーブオイルで作るときは、にんにくと唐辛子、塩で、ペペロンチーノ風にするのもおすすめです。



<ふきのとうを使った調理>

ふきのとうは、鮮度によっても味わいが変わるのですが、そのままいただくにはちょっと食べにくい苦みがあります。天ぷらにする場合は、生のまま使いますが、それ以外では、一度塩ゆでしてから使うのが基本です。

3~4分塩ゆでしたら、水気をきって粗くみじん切りにして、オリーブオイルで炒めると、うま味を引き出しながら、香りと風味を残した味わいになります。そのまま保存もできますし、冷凍保存もOKです。

経験上のおすすめでは、ミートソースに加えると、ほろ苦みが加わって、とても良いアクセントになります。大人味のミートソースパスタにしたいときや、ちょっと味噌を加えて和風な香りを加えるときなど、ミートソースのアレンジアイテムに活用できます。
トマトソースに加えるのもよいですね。
ふきのとうは、存在感のある苦みがありますので、シンプルな塩味と合わせるよりは、苦みに負けないコクのある味つけと合わせるほうが、バランスが取りやすいと思います。



<たらの芽を使った調理>

たらの芽は、もっとも油の調理を必要とする素材のひとつと言えるかもしれません。
天ぷらはやはりおいしい食べ方ですが、オリーブオイルを使って素揚げにするというのも、大変おすすめです。
オリーブオイルを使うことで、風味が加わって、うま味が増すように思います。塩をふるだけでもおいしくいただけます。

このようにシンプルにいただく場合、たらの芽だけでなく、ほかの山菜もそうですが、鮮度も味わいに大きく影響します。
苦みを持つ素材というのは、鮮度が落ちるとともに、苦みが増す傾向があります。
新鮮なうちはさわやかな苦みが、古くなるにしたがってえぐみのような苦みが出ることがありますので、なるべく新鮮なものを選びながら、オリーブオイルとの組み合わせも楽しんでいただけたらと思います。



 

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