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オリーブオイルの保存について<2>

前回に引き続き、保存についてのお話です。
前回は、『空気』と『光』について、どんなことに気をつけて実践したらよいか、でした。

今回は、『温度』と『なるべく早く使いきる』についてです。意外と間違えてしまうことが多い内容でもありますので、チェックしてみてください。

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<『温度』について>

高い温度になる場所に置いておくのは避けましょう。30℃以上になると、オイルの成分の変化が激しくなります。
保存に最適な温度は13~15℃くらいですが、ご家庭では18℃前後くらいの場所が良いと思います。それには、どんな場所を避けたらよいかなど、以下でご説明します。
また、低ければ低いほど良いということでもありません。「冷蔵庫で保存してもよいですか?」というご質問をよく伺いますので、そのあたりも含めて、以下の3つのことを知っておいていただければと思います。

窓際、ガスコンロの近く、オーブンレンジの近くは避けましょう。
窓際というのは、前回の『光』についてでも触れましたが、日光で『温度』も上がりやすくなりますので、両方の点から避けたい場所です。
ガスコンロの近くは、すぐにお料理に使えて便利なので、ついつい置きっぱなしにしてしまいがちですが、加熱しているコンロの火、かけている鍋やフライパンで、かなり温度が高くなります。オーブンレンジの脇も、熱を外に放出します。
火元や電化製品から離れた、扉のついた棚の中などがよいかと思います。

流し台(シンク)の下は、注意が必要です。
キッチンの中で、光に当たらない場所、というと、シンクの下というのは置きやすい場所なのですが、注意が必要です。洗いものをするときや、調理中のゆでこぼし、食洗器からなど、流れてくる温水は、シンクの下の配管を通ります。その影響で、意外に温度が高くなってしまうので、同じキッチンの棚でも、シンクの下以外の場所をおすすめします。

冷蔵庫で保存するのは避けましょう。
低すぎる温度での保存も、香りや味わいの変化に影響します。
オリーブオイルは、10℃前後で固まる性質があります。固まると、全体に白っぽくなったり、まだらに白い点が出たりします。
冷蔵庫内の温度は、機種にもよりますが、冷蔵室で約3~6℃。野菜室でも、約3~8℃くらいですので、冷蔵庫で保存した場合は、白く固まることが多くなります。
常温においておくことで、自然にまた元の透明に戻ります。お使いになられても、害はありません。
ただ、この、固まる→溶ける、を繰り返してしまうと、香りや味わいが弱まります。毎度冷蔵庫から出して溶かして使う、となると、それが頻繁になる、とうことですので、常時の保存場所として、冷蔵庫はおすすめではありません。
冬場など、冷蔵庫でなくても同じような状態になることもありますが、そうなったら溶かして使い、なるべく固まらない温度の場所に移しましょう。


<『なるべく早く使いきる』について>

保存で気をつけたいこととして、『空気』、『光』、『温度』とお伝えしてきましたが、もっともよいのは、保存期間が長くならないことです。長くなればなるほど、それらの影響も受けやすくなるとうことですし、よい環境で保存できていたとしても、時間の経過による変化もあります。
では、「なるべく早く」とはどれくらいのことを言うのでしょうか。また、そのために選ぶときにも気に留めるとよいことなど、以下3つのことをお伝えしたいと思います。

開封前のオイルは買いだめせず、賞味期限内のなるべく早いうちに使いましょう。
開封前のものは、適切な保存状態であれば、ボトルに書かれている賞味期限が参考になります。賞味期限はだいたい、ボトル詰めをしてから18か月ほどが一般的ですが、その期限内であっても徐々に変化はしていきますので、なるべく早く使うに越したことはありません。

また、よほど頻繁に使うという方でなければ、買いだめは避けましょう。
例えば、賞味期限が同じタイミングのオイルを買いだめして、1年かけて使いきる、ということがあったとしたら、すぐに使わないオイルは確実に古くなってしまいます。
使いきるタイミングで新たにまた購入する、ということをおすすめします。

開封後は、1~2ヶ月以内に使いきりましょう。
開封したものは、賞味期限がかなり先のものであっても、1~2ヶ月以内、なるべく1ヶ月以内に使ってください。開封して使い始めた分、瓶の中には空気が多く入りますので、残りのオイルはより変化しやすくなるためです。
いつから使っているか、開封した日付を書いておくのもよいですね。

買うときに、ボトルの大きさ(容量)を選びましょう。
毎日大さじ1(15ml)は必ず使う、という方であれば、500mlボトルを約1ヶ月で使う計算になりますが、毎日でもそんなには使わない、または、毎日は使わない、という方は、250mlのボトルのほうが、早めに使いきれます。
このように、ご自分がお使いになる量や頻度に合わせて、買う容量も選ばれるとよいと思います。これからオリーブオイルの使い方をいろいろ試したい、という方は特に、はじめは少な目の容量のボトルのものを選び、レパートリーが増えるにしたがって、使う量に合わせていかれるとよいのではないでしょうか。


<保存についてのまとめ>

いろいろ注意点をお伝えしてきましたので、なんだか難しそう、と感じられたかもしれませんが、下記にまとめておきますので、これだけ覚えておいてくださいね。
<保存する場所>
■光の当たらない場所。
■温度が高くならない場所(18℃前後が目安)で、冷蔵庫は避ける。

<使う時に気を付けること>
■空気になるべくふれないように。使い終わったら口を拭いてしっかりフタをする。
■開封前は賞味期限内に、開封したら1~2ヶ月以内に使いきる。


また、ひとつ補足ですが、よくワインはボトルをヨコにねかせて保存しますが、オリーブオイルはボトルを立てて置いてください。ヨコにすると、ボトルの中の空気が広い範囲に接することになってしまうためです。

保存のコツを知ることで、よりよいオリーブオイルライフをお楽しみいただけたらと思います!


 

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