トマト缶とオリーブオイル
オリーブオイルと相性の良い素材を挙げるとしたら、「トマト」は確実に上位にランクインするのではないでしょうか。フレッシュトマトを使ったサラダや、トマトソースには、オリーブオイルは欠かせない!という方も多いと思います。
もちろん、私もその一人です。
中でもトマト缶は、価格も手ごろでストックもしやすく、いつでも使えて便利ですね。オリーブオイルとの組み合わせというと、今さら?と思われるかもしれませんが、オリーブオイルをどう合わせるか、トマト缶の種類の違い、などについて、少し詳しくお伝えします。定番のお料理も、よりおいしくお作りいただけるのではないかと思います。
<トマト缶とエクストラバージンオリーブオイル>
トマト缶は、トマトを水煮したものに、トマトピューレ、またはトマトジュースを加えて缶詰にされています。フレッシュトマトに比べて、加熱されていることでトマトの味わい(うま味・甘み・酸味)が凝縮しています。
そこに合わせるオリーブオイルは、エクストラバージンオリーブオイルがおすすめです。
エクストラバージンオリーブオイルというと、生使い用というイメージがあるかもしれませんが、煮込み料理やソースを作るときにも使っていただくと、とても効果的です。
エクストラバージンオリーブオイルが持ち合わせている、辛み、苦み、香り、といった要素が、トマト缶の味わいをぐっと奥行きのあるものにしてくれます。
香りや味のないサラダ油や、ピュアオリーブオイルではそうはいきませんね。
エクストラバージンオリーブオイルをたっぷりと使う、というのもポイントです。
トマトソースを作る場合であれば、トマト缶1缶(約400g)に対して大さじ4、くらいを目安に。
エクストラバージンオリーブオイルが調味料として味わいを引き上げてくれるので、けっこう使うなーと思うくらい入ったほうが、コクが出ておいしくなりますし、加熱をすると、トマト缶の酸味もやわらぎます。エクストラバージンオリーブオイルであれば、油っぽくなることもありません。
油というよりも、味つけ調味料のイメージですね。
<トマト缶の味の違いと味の調整方法>
トマト缶は、商品によって、味にかなり違いがあります。
ホールトマト缶の中でも、メーカーによって、甘みが強かったり、酸味が強かったり、うま味に差があったりします。
作り方は同じなのに、トマト缶の種類が変わると、いつもと味が違うような、、?と感じることもきっとあることでしょう。
レシピ通りに作っても、なんとなく味が足りない、酸味が気になる、ということもありませんか?
そんな時には、私は以下のような方法で調整をしています。
<味がちょっとぼんやりしているとき>
レモン汁を少し加えて、酸味で味をひきしめる。
<うま味が足りないかなと思うとき>
少量のしょうゆをかくし味に加える。
<酸味が強いかなと思う時>
少量のはちみつ、または砂糖を加える。(砂糖は、やさしい甘みのきび砂糖がおすすめです。)
どの場合も、ほんの少し加えるだけで、かなり味が変化します。
トマト缶であればすべて同じ、ということではないので、味見をしながらお好みの味に仕上げる工夫も、ぜひ取り入れてみて下さい。
<ホールトマトとカットトマト>
トマト缶を購入するとき、トマトが丸ごと水煮になっているホールトマトか、すでにカットされているカットトマトか、迷われることはありませんか?
トマトの形状が、丸ごとか、カットされているか、という違いのほかに、実は、それぞれ使われているトマトの種類や、味わいにも違いがあります。
ホールトマト缶に使われているトマトは、細長い形のトマト(サンマルツァーノ種、ルンゴ種など)が多いです。甘みやうま味が濃く、果肉がやわらかくて煮込み料理になじみやすいですね。
カットトマト缶に使われているトマトは、丸い形のトマトが使わることが多く、さっぱりとしていて、加熱しても果肉感が残りやすい、という傾向があります。
どちらかで迷うことがあれば、
トマトのコクを活かしたい煮込み料理やミートソースなどには、ホールトマト缶、
さっぱりと仕上げたいスープや、サッと加熱して仕上げるパスタソースなどには、カットトマト缶、という風に、お選びいただくのも良いと思います。
また、「ミニトマト」を使ったトマト缶もあるんですよ。
甘みが濃く、ミニトマトの果肉感がしっかりとあって、ピザやグラタンなどのトッピングや、スープの具としてなど、果肉を活かす使い方に向いていると思います。
ご紹介したポイントをまとめると、
・トマト缶とエクストラバージンオリーブオイルの合わせ方、
・トマト缶の味わいの違いの調整方法、
・トマト缶の選び方、など。
定番の組み合わせだからこそ、ちょっとしたポイントに目を向けていただくと、
よりおいしくお料理していただけると思います。
ぜひお試しください!