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オレイン酸のチカラ③〜満腹中枢に働きかけるダイエット効果〜

オリーブオイルの主成分は、「オレイン酸」。
3回にわたってオレイン酸の持つ、さまざまなチカラを紹介してまいりましたが、今回が最終回です。

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<オレイン酸が満腹中枢を刺激する!?>

オレイン酸は脳の視床下部にある満腹中枢を刺激し、食欲を抑える作用があると注目されています。

オリーブオイルをとると、小腸で主成分であるオレイン酸が吸収され、オレオイルエタノールアミド(Oleoylethanolamide:OEA)という物質に変化します。そして副交感神経系を介して1時間後くらいに脳(視床下部)の満腹中枢を刺激します。

また、オレオイルエタノールアミドは、肝臓での脂質代謝と脂肪細胞での脂肪分解を活発化するので、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪を減らしたり、体脂肪を減ら役割もあります。

<ポイントは、食事の1時間前>

2~3年前に流行った「シャングリラダイエット」を覚えていますか?
食事制限せずに痩せられるというダイエット法で、食事の合間にオリーブオイルをとるだけというかなりハードルが低いもの。
この「シャングリラダイエット」の考え方は、食事の1時間前にオリーブオイル(オレイン酸)をとると、その後の食事で早めに満腹になり、食べる量が少なくなるという体の反応を使ったダイエットです。

これは前述したオレイン酸の働きを利用したもので、満腹中枢を刺激するのは、オレイン酸をとった約1時間後。したがって、食事の約1時間前にオリーブオイルをとると食事量が減り、その結果ダイエットにつながるという考え方です。

シャングリラダイエットのルールでは、1日2回、1回につき大さじ軽く1杯(10ml)のオリーブオイルをとります。食後に軽く運動することも推奨されています。

<セットポイントを下げる>

そして、シャングリラダイエットに欠かせないキーワードが、「セットポイント」。
セットポイントとは生まれたときから体に備わっている機能で、体が記憶している正常な状態のこと。ホメオスタシス、恒常性などとも言われています。
脳もまた体重についてのセットポイントを持っているとされています。セットポイントが高い人は太りやすく、脳が食欲を増進させ、セットポイントの低い人は痩せやすく、食欲を抑制することができるというものです。
例えば体重50kgを目標としていても、セットポイントが55kgなら体重を55kgでキープするべく無意識のうちに食欲が増してしまうということ。
ダイエットを成功させるためには脳が認識しているセットポイントを下げることが大切という考え方です

では、セットポイントを下げるにはどうすれば良いでしょう?
セットポイントは何も食べないと下がりますが、生きていくために食事をしない訳にはいきません。また、味気ないものを口にすることでも脳が騙され、セットポイントが下がることが分かり、シャングリラダイエットではオリーブオイルや砂糖水が推奨されています。

オレイン酸の働きを鑑みると、オリーブオイルの方がメリットはたくさんありそうですね。「味気ない」がポイントなので、オリーブオイルは風味豊かなものよりも、クセのないものを選んだ方が良いようです。

 

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