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オリーブオイルができるまで<収穫>

こんにちは。片幸子です。
今回から数回にわたって、オリーブオイルがどうやってできるのかについて、お伝えしていきたいと思います。オリーブの実からオイルに生まれ変わる工程には、オイルの質を左右するポイントがたくさんあります。
まずはじめはオリーブの収穫について。

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<収穫のタイミングについて>

オリーブオイルができるまでは、オリーブの栽培→収穫→搾油所へ運搬→搾油の作業、という流れになります。

収穫のタイミングは、育つ土地の気候や品種などによって前後しますが、北半球ではだいたい9月末から12月頃までです。オリーブの実が、緑色から少し紫色に色づき始めたころが理想的とされてはいますが、生産者の方々がどんな特性のオイルにしたいかで、緑色の状態の早摘みだったり、かなり紫色になってからだったり、タイミングが見極めわれているようです。

以前、「好みの香りを見つけるヒント<1>」で、成熟度合いによって変わる香りのことについてご紹介しましたが、これは味わいにも関わっていて、
緑色のもの: 青々しい香りで、苦み香りが強い

紫色になるにしたがって: まろやかな香りと味わい
になる傾向にあります。


よし収穫しよう!となったら、収穫~オイルをしぼるまでは、かなり短い期間で行われます。
オリーブの実の成熟度合いを見極めながら、収穫のタイミングが来たら、一気に収穫をして、できるだけ早くしぼることが、品質の良さにつながります。

その理由は、オリーブの実は、摘み取られた瞬間から、品質が下がり始める、というところにあります。摘んだ瞬間から「酸化」が始まりますので、なるべくその「酸化」が進んでいない状態でしぼることがとても重要なんですね。


私が訪れたイタリアのオリーブ農園では、40人ほどの知人や友人を集めて、朝早くから一斉に、一気に収穫を終えて、すぐに近くの搾油所に運んでいました。夜遅くまで作業をして、翌日は午前中のうちに搾油。すぐに、今年はどんなオイルになったかみんなで味のチェック。とてもおいしくて、必死で作業していたみんなの顔がほころぶ瞬間でした。



<収穫のしかた>

どんな風に収穫をするのか、ですが、私がお手伝いをした農園では、まず、オリーブの木が立ち並ぶ地面に、なるべく隙間なく網を広げて、そこに実を落とすという方法でした。
実を落とす時は、木の下のほうは、手のひらが厚くなっている手袋をして、手で枝をしごいて落とし、上の手が届かないところは、櫛のような道具に長い柄をつけて落としていました。
この方法は、「手摘み」による収穫にあたります。

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ほかに、バタバタと動く柄のついた道具で実をたたいて落とす方法や、木の幹をゆらして落とす方法、機械で一気に収穫する方法などがあったり、「手摘み」の中でも、実を落下させずに、実を選別しながら収穫していくという方法もあるようです。

「手摘み」は、オリーブの実が傷つきにくく、オリーブの実の状態を選り分けながら収穫できるので、とても丁寧な方法ですが、大規模な農園などでは、道具や機械を使って、なるべく早く収穫するということを優先する、ということもあるようです。



<収穫した実は>

収穫したオリーブの実は、大きく広げた網の上にたくさん落ちていますので、網をたぐり寄せながら実を集めてゆき、最後に、「カセット」と呼ばれる箱に入れます。

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この「カセット」は、あまり深くなく、積み重ねても実がつぶれない丈夫さがあって、通気性がよいことが大切です。深さがあったり、袋のようなものだと、積み重なった下のほうの実がつぶれてしまいますし、通気性が悪いと、中で実の温度が高くなって、発酵が始まってしまいます。こうなってしまった実からは、香りのよいオイルができなくなってしまうので、入れる容器にも、気を遣われているんですね。

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一日の収穫を終えるころには、このカセットがたくさん集まって、どんなオイルに生まれ変わるのか、とワクワクしました。

次回は、この実をまとめて搾油所にもっていくところからご紹介しますね。



 

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