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【美食探訪】 エルバ・ダ・ナカヒガシ(東京・西麻布)

キーワードは「草」そして京都と和。私の最愛のレストランにルーツを持つ新店は、本格イタリアンでありながらこの三つが融合した独自性に注目です。

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京都の料理人一家に育った気鋭の若きシェフ

2016年1月、西麻布の路地裏にオープンした話題のリストランテ「エルバ・ダ・ナカヒガシ」。シェフの中東俊文(なかひがし・としふみ)さんは、京都の和食店「草喰(そうじき)なかひがし」の大将、中東久雄さんの次男として京都で生まれた。

久雄さんの実家は、京都の奥座敷と呼ばれ夏はひんやりと涼しく、冬は深い雪に包まれる山間にあり、京都随一の美食宿として知られる「美山荘」。その料理は、料理人自らが野山に分け入って野草を摘んで使うことから「摘草料理」を標榜する。豊かな自然と美味しい水に恵まれた京都で、祖父も叔父も父も料理人、母の実家は味噌屋という環境の中育った3人兄弟は、全員が料理人だ。

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エルバ=草。父の店の名を受け継いだイタリアン

「料理人を目指したきっかけ?家族で出町のカーサビアンカで食事をしたときでした。こんな料理を作りたい!と思て、初めて料理人を志したんです。13歳やったかな」

京都御所そばにある老舗イタリア料理店が料理人を目指した原点。15歳の時、父・久雄さんが美山荘から独立すると、俊文さんも父の手伝いをしながら料理を学び始めた。高校を卒業すると単身イタリア・トスカーナに渡り、料理修行が始まった。「摘草」に対し「草喰」と掲げた父の店は、すでに押しも押されもせぬ京都を代表する人気店となりつつあった。

俊文さんはイタリア、パリのミシュランレストランでの経験をたずさえ帰国。京都「プリンツ」でシェフを務めたのち、大阪にオープンするセントレジスホテルに迎え入れられた。そして若くして大規模な高級ホテルの料理長という経験を積み、満を持して自分の名を冠した店で腕をふるうこととなる。エルバ=”草“の意。父の店の一文字を受け継ぎ、オープン前の半年ほどはその厨房にも入った。

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郷土愛とイタリアの魂を季節の彩り豊かに表現

「エルバ・ダ・ナカヒガシ」はモダンイタリアンだが、特注の和の器や素材も多用し、和食のごとく細かく旬にこだわる。ふるさと京都はもちろん、各地の生産者をリスペクトし、仕入れた素材は大切に使い切ることもまた俊文さんのポリシーのひとつだ。美山荘と似ているようで、さらに繊細で美しい草喰なかひがしの料理は唯一無二のもの。その影響を多分に受けた「エルバ・ダ・ナカヒガシ」もまた、他にはない独自の料理をつくりあげている。

「イタリアでは何よりも、生産者、そしてその土地の郷土色を大切にするということを学びました。イタリアで胸に刻み込んできた敬愛するシェフの料理魂は、父とも通じるところがあります。僕は世界に名だたる東京という美食のまちで、日本だけでなく世界から来られるお客様にこの魂を伝えたいんです」

なぜ京都でなく東京で?その問いに彼はこう答えた。ひょうひょうとした雰囲気、穏やかな物腰は父譲り。この春芽吹いたばかりの新店は、ぐんぐんとしなやかに枝葉を伸ばし成長を続けていくに違いない。

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編集後記~シェフのオリーブオイルライフ!

「エルバ・ダ・ナカヒガシ」のコース料理は野菜がたっぷり!味わうとその食材の原風景が目に浮かぶような料理が続きます。軽やかで洗練されたここだけで味わえるイタリアンは、魚、肉の存在感もバッチリ。料理に合わせたミネラルウォーターをグラスで味わう「水ペアリング」がまた楽しいのです。

「イタリア人にとってのオリーブオイルは、日本人にとってのだしのようなもんです。健康のためにとオイルをそのまま飲む人も多いんやけど、現地に初めて暮らす日本人はおなかを壊すことが多いんです。お通じが良くなりすぎるみたいで(笑)」

家庭では優しい一児のパパ。家族のために日常的にも腕をふるうそう。オリーブオイルを使ったパスタも作れば、和食をアレンジしてみることも。
「なめろうにブラックオリーブを刻みいれてオリーブオイルで和えるのも美味しいですよ。でもせっかくなので、今日は店でそのまま出すことはない、僕の定番イタリアンレシピをご紹介しますね」

そういって作ってくれた、誰もが知ってるあのメニューが2品。合わせてご覧ください♪

 

【エルバ・ダ・ナカヒガシ(東京・西麻布)】
住所 ▶ 東京都港区西麻布4-4-16 Nishiazabu4416 B1F 
電話 ▶ 03-5467-0560
営業時間 ▶ 18:00〜21:00(L.O.)
定休日  ▶ 日曜日
料理 ▶ ディナーコース12,000円(税・サ別)
HP ▶http://www.erbadanakahigashi.com/

 

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