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麺とオリーブオイル

こんにちは。片幸子です。
前回より引き続き、日本の食材とオリーブオイルというテーマです。今回は、麺とオリーブオイルについて。

オリーブオイルを使った麺類といえばスパゲッティがポピュラーですが、日本ではそれ以外にも麺の種類が豊富です。
スパゲッティとオリーブオイルの相性や、スパゲッティとほかの麺類の違いに触れながら、日本ならではの麺とオリーブオイルについて考えてみたいと思います。

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<スパゲッティとオリーブオイル>

オリーブオイルで麺料理、またはオリーブオイルを使った料理というだけでも、スパゲッティを思い浮かべる方は多くいらっしゃると思います。スパゲッティは数多くあるパスタの種類のひとつで、パスタには細長い麺状のもののほかにも、短いものや粒状のものなどさまざまな形があります。
今回は麺とオリーブオイルということで、日本でも最もポピュラーな細長い麺状のスパゲッティを例にします。

日本でもおなじみのスパゲッティのメニューは、ペペロンチーノ、ボンゴレ、ペスカトーレ、ジェノベーゼなどなど、バリエーションがとても豊富になりました。
麺とオイル、というと「炒める」イメージがあるかもしれませんが、スパゲッティは本来ソースをからめてしみこませるお料理です。麺を炒めながら味つけをしていくよりも、仕上がったソースにゆでたスパゲッティを加えしっかりとからめるほうが格段においしく仕上がると思います。

その「ソース」で力を発揮するのがオリーブオイルです。
にんにくをじっくりと炒めて香りを引き出し、オリーブオイルならではの風味や香りが、ソースに使われる素材の持ち味を引き上げます。オリーブオイル自体がソースとなる場合もあります。

ゆで上がったスパゲッティを加えてソースのうま味をからませしみこませる、というのがおいしく作るポイントだと思います。
このポイントが日本の麺類にすべて応用できるかというと、実はちょっと違いがあります。麺自体の特長が違うので当然といえば当然ですが、そうめん、うどん、日本そば、焼きそばなど、どんな風に違うかを考えてみることがオリーブオイルを使って麺類の味わい方が広がるということにつながるような気がします。


<スパゲッティと日本の麺類>

スパゲッティは、デュラム・セモリナ粉というたんぱく質やグルテンが豊富な小麦を原料としていて、弾力がありゆでてもコシが強いのが特徴です。ソースとからめる時に加熱してもその弾力やコシがしっかりとあるので、前述した調理のポイントが活きるのだと思います。

対して、うどん、そうめん、冷や麦は小麦粉・水・塩を原料としていて、こまかな製法の違いはありますが(そうめんは延ばすときに油も使うなど)、基本的には太さの違いが種類分けにつながります。日本そばは、そば粉・水。これらはどの種類でも、ゆでたら湯切りをしてしっかりと冷水でしめることでコシが生まれます。日本での従来の食べ方ではそれを濃い味のつゆにつけるか、だしをきかせた温かいつゆに入れていただくのが王道ですね。
コシの強さから言えばスパゲッティと同じような使い方ができるのは、太さがあって麺がのびにくいうどんは代用にはなりそうですが、そのほかはちょっと使い方が変わってきそうです。

焼きそば麺やラーメンの麺の原料は、小麦粉と水、塩、かん水、卵。焼きそば麺は蒸してから油をまぶしてあり、炒めることが前提になっていますし、ラーメン用はゆでてスープに入れると、よくスープがからむように設計されています。
こちらもスパゲッティとは特長に違いがありますね。


<日本ならではの使い方>

スパゲッティと他の麺類とでは麺の特長が違う、ということはお分かりいただけたと思います。ですが、だからこそ、オリーブオイルを使うことによって新たなおいしさや味わい方が生まれる、ということにつながると思います。

うどん、そうめん、冷や麦、日本そばは、めんつゆに薬味(ねぎ、しょうが、青じそ、みょうがなど)が間違いのない組み合わせです。
ですが、時に、さっぱりしすぎて物足りない、もっと野菜も摂りたい、肉や魚介も一緒に食べたい、ということはありますよね。

まずはいつもの食べ方で、薬味のひとつにオリーブオイルを加えてみてください。
香り、辛み、苦み、という特長は味わいを広げる薬味の役割に匹敵しますし、油のもつコクが食べた時の満足感につながります。

そして、つゆに野菜を組み合わせたいとき、トマトやレタス、長芋、オクラ、などなど、そのまま合わせるのも良いですが、オリーブオイルを加えると野菜を加えることで水っぽくなるのが防げたり、いつもは使わないような野菜との味の仲介も果たしてくれます。
麺にたっぷりと野菜をのせて、つゆとオリーブオイルをかけるぶっかけ麺もおすすめです。

具と一緒に炒めるときは、オリーブオイルが具のうま味を引き出すので、まずはしっかりと具をオリーブオイルで炒め、具をおいしく仕上げてからゆでた麺を加えてほぐし調味料で味つけする、という方法がおすすめです。
スパゲッティのように水分のあるソースに麺を加えると麺がのびてしまうので、具、麺、味つけ、と順番を変えるのがポイントになります。焼きそばもこの使い方に入りますね。
ラーメンにはこしょうなどの薬味と同じようなイメージでオリーブオイルを使ってみて下さい。さっぱりとした塩ラーメンやしょうゆラーメンでは特に、味のアクセントとして活躍してくれると思います。

もともとオリーブオイルを使うお料理に習う点はたくさんあります。
食材が豊富な日本ではそれも楽しめて、かつ、ほかの食べ方にも広げていける、というのがとても大きな魅力だと思います。

日本ならではのオリーブオイルの使い方を、ぜひいろいろとお試しくださいね。


 

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