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ちぢみほうれん草とオリーブオイル

ちぢみほうれん草は、12月~2月あたりに出回るほうれん草で、今まさに旬を迎えています。一般的なほうれん草と比べると、甘みが強く、味が濃く感じられます。
おひたしやごま和えなどにするのもとてもおいしいですが、オリーブオイルと組み合わせても、シンプルにとてもおいしくいただくことができます。
見た目はいつものほうれん草と違いますが、調理の難しさはありませんので、ぜひ手に取ってみていただきたい素材です。

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<ちぢみほうれん草とは?>

ちぢみほうれん草は、品種ではなく、冬の寒い時期の栽培方法によってできるほうれん草です。寒締めほうれん草ともいいます。
冬の時期に、露地栽培をしたり、ハウス栽培であっても、時々寒風にあてたりすることによって、寒さに耐えられるように、葉は厚く、茎は太くなり、甘みとうま味がグッと増します。
一般的なほうれん草はタテに長く葉を伸ばしますが、ちぢみほうれん草は、日照時間の短い冬の時期、日光に当たりやすいように、地面にはりつくように短く茎と葉を広げます。その葉は、ちぢれた状態になることから、ちぢみほうれん草と言われています。

植物は、厳しい環境では栄養をしっかりと蓄えて、効率よく生命維持をしようと工夫をします。それが甘みやうま味となって、私たちは、この時期ならではの味わいを楽しむことができます。季節限定のお野菜の味わいを、存分に活かして、おいしくいただきたいですね。


<オリーブオイルと合わせて>

ちぢみほうれん草は、まずはシンプルにお料理することで、その味わいの特長がよくわかります。ゆでただけのものを食べてみると、その甘みに驚かれることでしょう。

オリーブオイルと合わせる食べ方として、まずは、ゆでたあとに塩、オリーブオイルであえる、という方法がおすすめです。
オリーブオイルで作る簡単ナムル、とイメージしていただいてよいと思います。
オリーブオイルは素材の味わいを邪魔せずに、甘みを引き出し、持ち味を活かしてくれます。オイルのフレッシュな香りと、ちぢみほうれん草の香りも相性が良いと思います。
オリーブオイルでソテーしたお魚やお肉のつけ合わせなどにいかがでしょうか。

ゆでるときはまず、加熱する前によく洗ってください。
ちぢれた葉の部分や茎に、土が入り込んでいることがあるので、サッと洗うだけだとそれが残る場合があります。ボウルなどにためた水の中に入れて、ふり洗いするとよいと思います。

茎が太く色が濃いので、一見かたそうに見えますが、意外と火の通りがよく、すぐにやわらかくなります。アクが少ないものが多いようですが、まったくないわけではないので、ゆでたら水にとり、少し食べてみて、アクを感じるようでしたら水にさらす時間を少し長めにしてください。


<オリーブオイルで炒めても>

下ゆでしたちぢみほうれん草は繊維がやわらかく、たっぷりのオリーブオイルで2~3分、オリーブオイルとなじませるように炒めると、しっとりとまとまります。塩だけの味つけで、甘みやうま味が引き立ち、冷めてもおいしくいただけます。にんにくを加えて炒めると、コクが増して満足感がアップします。

たっぷりのオリーブオイル、という量が分かりにくいと思いますので、目安量をお伝えします。
■ちぢみほうれん草:1袋(3株・約200g)
■にんにくみじん切り:大さじ1
■オリーブオイル:50ml
■塩:少々(お好み)

バゲットにのせてブルスケッタにしたものを、あるイベントでお出ししたことがありますが、男性にも女性にも好評でした。塩だけの味つけ??と驚かれる方も多くいらっしゃいました。パンにのせたあとに、粉チーズやナッツをかけてもおいしいと思います。

また、カレーに加えたり、パスタやチャーハン、オムレツなど、お料理にも使えます。
具材をプラスする意味合い以外にも、味つけとうま味足しにも活躍してくれます。
パスタであれば、ゆでただけのパスタに、鮭フレークやツナと一緒に混ぜるだけ、といった使い方もすぐにできておすすめですし、チャーハンに加えるなら、仕上がりの最後に混ぜるだけでOKです。

オリーブオイルは、素材の味わいを引き出す調味料です。
旬のお野菜のおいしさを楽しむためのアイテムとして、ぜひご活用くださいね。


 

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