辛味調味料のハリッサ
ハリッサ(HARISSA)という調味料をご存じでしょうか。
唐辛子をベースに、にんにく、スパイス類、オリーブオイル、塩などを混ぜて作られているペースト状の辛味調味料です。
オリーブオイルに縁の深い地域で、オリーブオイルを使って作られているこの調味料、最近注目を集めているというウワサ。
どんなものなのか、少々ご紹介したいと思います。
<ハリッサはどんな調味料?>
数年前に、オリーブオイル生産大国のお料理を調査していたとき、生産量の上位を占めるのは、地中海沿岸に位置する国々であり、スペインやイタリア、ギリシャなどとともに、チュニジアも上位にあることを知りました。
そこで、都内のチュニジア料理専門店に調査研究に行ったとき、出会ったのがハリッサ。
クスクスと煮込み料理を盛り合わせたお料理に添えられていました。見た目は豆板醤のような感じ。
塩気はさほど強くなく、かなりしっかりとした辛味とスパイスの香りがあって、コクもプラスされます。ちょっと加えるだけでもお料理の味わいがガラッと変わって、感動とともに、とてもびっくりしたことを憶えています。
クスクスは、こまかい粒状のパスタの一種で、オリーブオイルと熱湯を混ぜて戻したもの。それに、羊肉と数種の野菜のほんのりスパイスがきいたトマト系の煮込みが盛り合わせられていました。クスクスと煮込みの具や煮汁を混ぜながらいただく、わりとあっさりとした食べやすい味わい。そこに途中からハリッサを混ぜながらいただくと、辛味とスパイスの香りが加わって、また更に食が進みます。ちょっと香りにクセのあるお肉もグッと味わいを増しました。
ブリック、という、ツナ、じゃがいも、半熟卵を春巻きの皮のようなもので包んで揚げたお料理にもぴったりでした。パリッとした皮を崩すと、やさしい味わいのツナとじゃがいもに、とろりとした半熟卵がからまり、まろやかな味わい。それだけでもおいしいお料理ですが、ハリッサをアクセントに加えると、一品を食べる間にも辛味と香りで飽きずにどんどん食べられました。
以下は、参考までに、以前ご紹介した、チュニジア料理の作り方です。
▪クスクス&煮込み(煮込みのお肉は作りやすいように鶏肉にしています。)
https://www.j-oil.com/sp/olive_world/msea_tunisia.html
▪ブリック
https://www.j-oil.com/sp/olive_world/msea_tunisia2.html
タイプの違うお料理でも、それぞれに特長を発揮するハリッサという調味料。
いただいたメニューは、日本人の私たちにも食べやすいものに思いましたし、辛味や香りでアクセントをつける薬味使いは、柚子胡椒や七味唐辛子を使う日本食とも共通項があると思いました。
チュニジアとフランスは関係性も深いことから、フランスにも、クスクスと一緒に食べる煮込み料理もあるようですね。フランス製のハリッサもおいしいものがあります。
モロッコのタジン料理にも、よく合わせて使われるようです。
<日常のお料理に使ってみる>
ハリッサは、海外の調味料を扱う食料品店で販売されていますし、ネットショップなどでも手軽に手に入ります。チュニジア料理にヒントを得て、いろいろと試してみると、実は日本の家庭料理として食べられている色々なお料理にも使い勝手が良いと実感しました。
辛味とスパイスの香りが特長の調味料なので、大人向けの味変に活躍すると思います。
特にこれは!と思いマストアイテムとして使うようになったのは、オムレツと、オムライス。
ケチャップを添えるのも美味しいですが、そこにハリッサをプラスすると、大人味に激変。
すぐに試していただけるメニューかなと思います。
また、お肉がおいしくなる印象から、シンプルな牛肉のステーキや、焼き肉、豚肉や鶏肉のソテー、ハンバーグ、豚の角煮、餃子、などなど。
いつもの味つけやタレに薬味としてプラスしてみると、味の雰囲気がガラリと変わります。ソース味、ケチャップ味、焼き肉のたれ、しょうゆ系の味付けにも、それぞれ面白い味の相性があります。
煮込み料理では、カレーやトマト系の煮込みにぜひ! 例えば、お子さん向けに辛味を抜いて作ったら大人向けだけに辛さや香りをプラスするという使い方もできますし、煮込むときに加えて全体の味を引き締めるという使い方もできます。
異国の調味料であっても、オリーブオイルを通じて興味をもったり、使ってみて発見があるというのはとても面白いですね。ぜひ、試してみて下さい♪