【美食探訪】ビストロQ(東京・赤坂)
鉄板焼きフレンチという今までになかったスタイルで注目された「ahill」の初代シェフが、独立して6年を迎えようとしています。オトナの街赤坂にふさわしく、遊び心があって「ワガママ」のきくビストロには、オリーブオイルを使ったメニューがいっぱいです!
オープンキッチンで味わうQフレンチ
美味しいだけじゃなく、楽しいから、シェフに会いたいからここに来る―
そんな客が引きも切らない「ビストロQ」。「Qちゃん」と親しみを込めて呼ばれる山下九シェフは、メディアへの出演も多い人気料理人だ。イタリアン、フレンチを学んだ後、鉄板焼きの技術を身につけ、鉄板焼きフレンチという新スタイルを編み出して注目された。独立して開いたこの店では、そんな経験や自分の好みを生かした料理を、のびのびと作る。こだわりは・・・客と話せるオープンキッチンスタイルにしたことくらいだろうか。和洋中、その他ジャンル問わず良いと思ったところは料理に取り入れる。質の良い素材を仕入れることなどいうに及ばず。こだわりを押し出す店が多い昨今、山下シェフのこだわりのなさは逆にたまらなく魅力的だ。
リピ確実のハンバーグ、クセになる〆カレー
あの店といえばこれ、という名物料理、絶対食べるべきスペシャリテがあるレストランは強い。ビストロQの場合、それはフォアグラ入りのハンバーグであり、コースの〆のカレーである。フレンチだというのに!
ビストロQの料理は親切で、昼のリーズナブルなランチにも名物ハンバーグがちゃんとメニューに入っている。夜はコースとアラカルト、どちらも用意があり、スペシャリテの単品も頼める。最近、カレーがインド風に進化していることに気づき舌を巻いた。常連客の無茶ぶりにも果敢に対応するが、メニューにないものもあらかじめリクエストしておけば食べられるはず。2、3名ならカウンターがおすすめだ。
客の気持ちがわかる粋な「大人食堂」
山下シェフはいつもふざけているようでいて、料理はといえば、ビストロらしからぬ美しいフレンチをすまして出してくるので驚かされる。コースではきれいめな料理で魅了しておきながら、最後にカレーで外す。アラカルトにはちまちましたつまみの類はなく、黒板を見ながら旬の食材から選ぶ。炭水化物メニューを合わせてガッツリいくのもいい。自由度の高い、まさに「大人食堂」。でもきっと「つまみを盛り合せてほしい」といえば、なんとかムリをしてやってくれる。それがビストロQだと思う。
「お客様が本当に食べたいものは何か。大切なのは、楽しい食卓を作り喜んでいただくこと」
食べ歩きも飲み歩きも大好きなシェフは、客の気持ちをよく知っている。
編集後記~シェフのオリーブオイルライフ!
「日本にはサラダ油という非常に優秀な油があります。何にでも使える油ですがこれは言ってみれば裏方。香り高いオリーブオイルは表に見える形で使うのが好きですね。産地?イタリア産です。YHシェフに紹介してもらった業者さんにすすめられたものを使っています」
YHシェフといえばイタリアンの重鎮。良いものを知るのに、その道の達人に訊くのは間違いのない方法かもしれません。
ビストロQの料理は、見た目も味わいも正統派のフレンチなのにオリーブオイルが結構使われています。不定期で開催される料理教室でも、レシピにオリーブオイルの文字が踊り、それがとても印象的でした。オリーブオイルは野菜、魚介に使うことが多いという山下シェフ。今度訪れるときは「オリーブオイルでお肉料理を作って!」とワガママなリクエストをしてみようかな。
【ビストロQ(東京・赤坂)】
住所 ▶ 東京都港区2-20−15 HAGAビル1F
電話 ▶ 03-6459-1909
営業時間 ▶ 月~金11:30~14:30(L.O.14:00)
月~土18:00~23:30(L.O.22:00)
定休日 ▶ 日曜・祝日
HP ▶ http://bistro9.com/