オリーブオイルで鶏から揚げ
エクストラバージンオリーブオイルを揚げ物に、というと、ちょっと贅沢な使い方、もったいない、というイメージがあるかもしれませんが、おすすめしたい使い方のひとつです。
実際、一般的なサラダ油と比べてどんな違いがでるか、また、サラダ油と半々で揚げてみるとどうか。我が家でもよく作る、定番メニューの鶏のから揚げを例に、いろいろ試して実感していることをお伝えしたいと思います。
フライパンで少ない油でカリッと揚げるコツや、下味・衣づけのポイントなども、ぜひご参考までに☆
<鶏から揚げと揚げ油について>
まず、香り豊かなエクストラバージンオリーブオイルを、揚げ物に使うことについて、です。
よく、エクストラバージンオリーブオイルは生使い専用、というようなことも言われます。
たしかに、その香りを最大限に活用するには、加熱せずにそのままかけたりつけたりするのはもっとも有効な使い方です。なぜなら、加熱をすると、特長的な香りや味わいがほとんど失われてしまうためです。
ですが、調理性としてのメリットもいくつかあるのです。
同じ条件で下味と衣をつけた鶏肉を、例えば、サラダ油(菜種油)・エクストラバージンオリーブオイルでまったく同じように揚げてみたとき、どんな風に違いが出るでしょうか。
①揚げているときの油の臭い。
揚げ物をするときは、キッチンに油の臭いが広がるのは避けられないことです。
ですが、エクストラバージンオリーブオイルで揚げるほうが、油臭さがかなり少なく感じます。加熱することで油が酸化する、というのは、どの油にもおこることで、多くはこの酸化により油臭さが発生します。
オリーブオイルは、加熱による酸化に強い脂肪酸組成をもっています。そのため、
オリーブオイルは加熱による酸化に強い→油臭くなりにくい。ということになるのだと思います。
②衣のカリッとした仕上がり
化学的にどのような作用がおきているか、詳しくはわからないのですが、実感としてあきらかに、衣がカリッと、油っぽさがなく仕上がります。
たっぷりの油で好条件で揚げた場合は、サラダ油とあまり差が出ないかもしれませんが、
家庭で作りやすい作り方として、フライパンで少ない油で揚げたとき、オリーブオイルで作るほうが、メリットをより感じられると思います。
※フライパンでの揚げ方については後ほど書きます。
③味わいの違い
エクストラバージンオリーブオイルで揚げると、衣にオイルのコクやうま味がうつり、味わいが深くなります。
エクストラバージンオリーブオイルには苦みや辛みといった味わいがありますが、こちらも加熱によって、そのものの味わいは感じにくくなります。ですが、加熱によって、コクやうま味に変換されるように感じます。
サラダ油(菜種油)とエクストラバージンオリーブオイルでの違いについては、このような実感がありますが、100%エクストラバージンオリーブオイルではチャレンジしにくい、という場合、半々でブレンドして使ってみて下さい。
効果としては、①~③について、中間の仕上がりになります。
<フライパン&オリーブオイルでから揚げ>
揚げ物を手軽にフライパンで、少ない油で、というのは、ほとんど主流になりつつあります。
※条件としては、26cmのフライパンでしたら、油は300ml。1cmほどの深さの油を使用することを前提とします。
上記の条件で、フライパンでから揚げを、カリッとジューシーに揚げるというのは、少々コツがいります。
ポイントは、揚げている間、こまめにひっくり返しながら揚げること、です。
衣をつけた鶏肉を入れると、半分だけが油に浸かっている状態になります。
衣をつけた鶏肉を、熱した油に入れたらまず、衣がかたまるまでそのまま加熱。裏返してさらに衣をかためたら、なるべくこまめにひっくり返しながら合計4~5分揚げてください。
少ない油で揚げるときは、油に浸っていない部分に、素材の水分がにじんできます。表裏と揚げて、そのまま引き上げてしまうと、衣がしっとりしてしまいます。
こまめにひっくり返しながら、衣ににじんだ水分を飛ばしながら揚げることで、
フライパンで少ない油で揚げても、カリッとジューシーに揚げることができますよ。
この揚げ方では特に、オリーブオイルで揚げるほうが、カリッとした仕上がりになりやすいと思います。
<鶏から揚げの下味のつけ方・衣について>
こちらは、オリーブオイルで揚げることとは違うポイントになりますが、おいしく鶏から揚げを作る要素として重要だと思いますので、書かせていただきます。
■基本の鶏から揚げの下味つけについて
・鶏もも肉:2枚(600g)
(a)しょうゆ:大さじ2
(a)酒 :大さじ2
(a)塩 :小さじ1/2
(a)しょうが(すりおろし):大さじ1
(a)にんにく(すりおろし):小さじ1
下味つけのポイントは、「もみこみ」です。
カットした鶏肉に、(a)を加えたら、手でつかむようにして、もみこんでください。1分ほどもみこんでいると、意外なほどに水分がみえなくなり、鶏肉にしっかりと調味料がなじみます。これは、中華料理の「チャン」という技法の応用です。
こうして調味料をなじませると、しっかりと調味料を含み、何時間も漬け込みをしなくても、すぐに調理することができます。
■衣
・たまご :1個
・小麦粉 :大さじ2
・片栗粉 :大さじ4
衣の材料を、下味つけした鶏肉に加えてさらにもみこみます。
衣のつけ方は、考え方が様々ですが、これは、カリッとジューシー、鶏肉のうま味豊かにふんわり仕上がる、揚げ油が汚れにくい、といった点から、今段階でベストだと思っているバランスです。
から揚げは、定番の人気メニューなだけに、ご家庭それぞれの味もあると思います。
そこに、オリーブオイルがまた味わいをアップしてくれるような可能性も大きいので、
ぜひお試しくださいね☆