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オレイン酸のチカラ②〜酸化されにくい抗酸化効果〜

オリーブオイルの主成分は、「オレイン酸」。
オレイン酸の持つ、さまざまなチカラを紐解いていきましょう。

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<きってもきれない、あぶらと酸化の関係>

賞味期限はまだまだ先なのに、食用油のラベルの裏面には「開封後はなるべく早めにお召し上がりください」と書かれているのをご覧になったことはありますか?

最後まで風味を損なうことなく、おいしく食べてもらうための注意書きですが、「風味を損なう」とはどういうことでしょうか?
あぶらが風味を損なってしまう原因は、「酸化」にあったのです。

あぶらは空気にふれると、空気中の酸素によって酸化されます。
そのまま酸化がすすむと「過酸化」といって、不快なにおいを発したり、さらには毒性を示す場合もあります。

過酸化は、食用油だけでなく他の食品や私たちの体内でも起こります。
食品では風味を損ない、体内では細胞が傷つくなど、良くないことが起こります。

<流行りのあぶらは酸化しやすい?>

最近では「健康に良い」と、オメガ3系のあぶらが注目されています。
代表的なのが、アマニ油やしそ油などですが、保存の仕方や使い方に注意しなくてはならないのをご存知ですか?
これらのあぶらは光や熱、酸素に弱いため、加熱には不向きです。揚げると煙が出たり、炒めると焦げついてしまうことも。
和えたり、つけたり、加熱調理後の食べる直前に加えるのが一般的な食べ方です。

では、なぜ酸化しやすいのでしょうか?
それは、あぶらを構成する脂肪酸の構造によるものです。
食品中の脂肪酸は、炭素と炭素が1本の手でつながっているものと、2本の手でつながっているものがあります。後者を二重結合といい、二重結合があるかないかで飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。

この二重結合は、酸素によって過酸化を起こしやすい不安定な構造で、えごま油やアマニ油の主成分であるα-リノレン酸は、二重結合を3つ持っているため、とても酸化しやすいのです。

<オレイン酸が酸化に強いワケ>

二重結合の有無で飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられると前述しましたが、不飽和脂肪酸はさらに、二重結合が1つのものは一価不飽和脂肪酸、それ以上は多価不飽和脂肪酸と分類され、二重結合の数が多いほど不安定になります。

オリーブオイルの主成分であるオレイン酸は、二重結合が1つの一価不飽和脂肪酸です。そのため、不飽和脂肪酸の中では酸化されにくいという特徴があります。

さらに、オリーブオイルを酸化から守ってくれるのは、オリーブオイルの苦味や渋味の成分であるポリフェノール。抗酸化成分として、すっかりおなじみですね。他にも、β-カロテンやビタミンEといった抗酸化ビタミンも含まれています。

このように、主成分のオレイン酸とその他の抗酸化成分のおかげで、オリーブオイルは酸化に強いあぶらとされています。

 

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