からだがよろこぶオリーブオイル② ~β-カロテン~
前回は、からだにとってうれしいはたらきをしてくれる「抗酸化作用」のお話しでしたね。今回は、オリーブオイルに含まれる抗酸化物質の1つ「β-カロテン」についてお話ししていきたいと思います。
【β-カロテンを含む油】
料理によく使う植物性の油として、オリーブオイルの他に、ごま油、なたね油、米油などがありますよね。それらの中で、唯一、オリーブオイルだけにβ-カロテンが含まれているのです。なぜ、オリーブオイルだけにβ-カロテンが入っているのか気になりますよね。それは、油をつくる原料にヒミツがありました。植物油の多くは、種子をしぼってつくられますが、オリーブオイルは、果実そのものをしぼってつくられます。そのため、種子以外の皮や果肉に含まれる豊富な栄養素がはいっているのです。
【β-カロテンは油との相性がよい】
また、β-カロテンは、油にとけやすい性質をもっています。そのため、油と一緒に摂ることで、吸収率がUPします。β-カロテンを多く含む、ニンジンなどの緑黄色野菜は、油をかけたり、油で炒めたりする食べ方がおススメです。さらに、オリーブオイルなら、もともとβ-カロテンを含むので、効率よく吸収することができるというわけです。
では、次に、β-カロテンはからだの中でどのような活躍をしてくれるのかみていきましょう。
【β-カロテンのはたらき】
β-カロテンは、抗酸化作用はもちろん、その他にもからだにとってよいはたらきをしてくれます。β-カロテンは、体内でビタミンAに変わることができるので、「プロビタミンA」とも言われています。特に優秀なのは、体内に必要な分だけ、ビタミンAに変わるので、摂りすぎによる悪影響の心配がないことです。
ビタミンAとしてのはたらきは、粘膜や皮膚を健やかに保つことです。粘膜や皮膚は、外からの敵(ウイルスなど)がからだに入りこまないように守ってくれます。そのため、ビタミンAがたりないと、風邪などの感染症にかかりやすくなります。他にも、目の機能にかかわる成分でもあるため、目の健康にも関わっています。
このように、オリーブオイルは、おいしいだけでなく、他の油ではとれないβ-カロテンが含まれていることも魅力の1つですね!次回は、オリーブオイルに含まれる「ビタミンE」についてのお話しです。楽しみにしていてくださいね♪
参考:
・「食品成分表2015」、p206-207、女子栄養大学出版部、東京、2015
・「おいしくて、からだにいいオリーブオイルの選び方 使い方」、p10-11、㈱池田書店、東京、2013
・「図解入門よくわかる栄養学の基本としくみ」、p100-104、㈱秀和システム、東京、2012
・「栄養成分の事典」、p166-167、㈱新星出版社、東京、2010
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